
今回の紹介はイタリアンモザイクの小物入れですね。
そうだ。"モザイクの都"と呼ばれるイタリアはラヴェンナの職人さんの手による手作りの品だ。

ではラヴェンナのモザイクについて説明していただけますか?
そもそも、石や陶器の小片を組み合わせて絵や図像を作るモザイク工芸は、古代世界の代表的な装飾工芸なのだけど、イタリアでは特にローマ時代に栄えた。

ローマ・モザイク
ではそのローマのモザイクの直系なのですね。
いや実はそういうわけでもない。というのは、イタリアのモザイク工芸の伝統はローマ帝国の衰退とともに一時途絶えてしまうのだ。
えー!ではラヴェンナのモザイク工芸はどこから来たのですか?
さきほど『ローマ帝国の衰退』と言ったのだけど、ローマという国全体が衰えたきったわけじゃなかったんだ。ローマの東半分、今のギリシャからトルコ、エジプトにかけては「東ローマ(ビザンチン)帝国」としてイタリア半島とは別に栄えていたんだ。
「ローマ帝国」なのにイタリアにないとはややこしい国ですね。
たしかに。でもそのややこしい東ローマ帝国という国があったおかげでモザイクの技術も発達を続けられたんだ。やがて東ローマ帝国の首都コンスタンティノープル(いまのイスタンブール)でガラスに金や銀の箔を挟み込んで作るモザイクが作られるようになる。それがイタリア半島に伝わって作られたのが世界遺産としてラヴェンナに残る教会群のモザイク装飾だ。

ラヴェンナ サンタポリナーレ・インクラッセ聖堂
へ?。ではイタリアで発達したものが東に渡って、そこで発達したものがまたイタリアにもどってきたものが今のラヴェンナのモザイクの原型なのですね。でもまたラヴェンナなんていう町に?
東から技術が戻ってきた当時のイタリアの首都はローマではなくラヴェンナだったのだ。
ええっ!、
本当の話だぞ。
オドロキですね。
そんなわけでこのモザイクの小物入れも、金箔や銀箔をガラスが挟み込む形の東ローマ式のモザイク装飾技術が使われている。ちなみに挟んでいるガラスはヴェネツィア産のガラスだ。

ヴェネツィアといえばガラスが有名ですね。
このヴェネツィアのガラスも東ローマやラヴェンナからの技術が移っていって発達したものだから色々と関わりがある組み合わせなんだ。
まさに『モノに歴史有り』というところですね。
そんなラヴェンナモザイクの小物入れ、是非とも歴史を感じながら手にとって欲しい。
手のひらにのる大きさですけど、しっかりと時間の重みがつまってますよ。
